文書管理を効率化する決定版!DocuWorksの基本機能と使い方

皆さんこんにちは。クラウド会計で経営支援を提供する千葉の税理士、中川祐輔です。
毎週木曜日に、経営者なら知っておきたい「業務効率」についての知識を解説しています。
オフィスにおける文書管理やペーパーレス化が求められる昨今、文書の閲覧・編集・管理を一元的に行えるツールの需要はますます高まっています。
富士ゼロックス(現 富士フイルムビジネスイノベーション)が提供する「DocuWorks」は、そうしたニーズに対応する文書管理ソフトウェアの代表格です。
私もお客様とのやり取りは完全ペーパーレス化を実現していますが、銀行や税務署とのやり取りはまだまだ紙の資料が発生しやすいです。
そこで、今回紹介するDocuWorksを導入したところ、紙の資料を作成するスピードが上がり、業務効率も格段に上がりました。
本記事では、DocuWorksが持つ基本機能から活用のポイントまでを、具体的な事例とともに分かりやすく解説します。
DocuWorksとは
まずはDocuWorksがどのようなソフトウェアなのか、その概要について整理しましょう。
DocuWorksは、文書管理を効率化するために設計されたソフトウェアスイートで、以下の2つのソフトウェアによって構成されています。
- DocuWorksデスク(文書表示ソフト)
電子文書を一覧表示・整理するためのソフトウェア。紙で言えば「机や引き出し」のような存在で、ファイルを並べたり管理したりといった操作を直感的に行えます。 - DocuWorks Viewer(文書編集ソフト)
DocuWorks文書を開き、さまざまな編集や加工を行うためのソフトウェア。紙の文書に手書きメモやハンコを押すような感覚で、電子的なアノテーション機能を活用できます。
これら2つのソフトウェアを組み合わせることで、印刷物やPDF、Microsoft Officeの文書などを一括管理したり、アノテーションを加えて回覧したりすることが可能になります。
DocuWorksデスクを使って書類の整理をすると、大きな画面に一覧で表示できて、直感的に操作が可能なので、気持ちよく整理整頓ができます。
DocuWorksのフォルダ構成とファイル管理
次に、DocuWorksのインストール後に作成されるフォルダ構成と、ファイル管理の基本について解説します。
文書管理を始めるうえで、まずはどのようなフォルダ階層が設定されるのかを把握しておくことが大切です。
1. フォルダの階層構造
DocuWorksをインストールすると、下記のような階層でフォルダが作成されます。
これはWindows環境での一般的なインストール例であり、実際の環境によって多少異なる場合もありますが、基本的には同様の構成となることが多いです。
markdown
└─ Fujixerox
└─ DocuWorks
└─ DWフォルダーズ
└─ ユーザーフォルダ
最終的にはユーザーフォルダがDocuWorksデスクのメインフォルダとして機能し、文書の閲覧や編集、管理を行う際の基点となります。
2. フォルダの種類
DocuWorksのフォルダ構成では、主に次の2つのフォルダを理解しておく必要があります。
どのフォルダにどの文書を置くか、あるいは他のフォルダとの接続をどうするかによって運用効率が大きく変わります。
ユーザーフォルダ
DocuWorksデスクのメインフォルダにあたるのがユーザーフォルダです。
ここにはWindowsエクスプローラーで作成したフォルダやファイルの構造がほぼそのまま同期表示されるため、Windowsの通常の使い方に慣れている方であれば直感的に操作できます。
リンクフォルダ
ユーザーフォルダ以外の場所にあるデータをDocuWorksデスクで一元管理するための仕組みが、リンクフォルダです。
たとえば、デスクトップや共有サーバー、あるいはNAS上のフォルダにある文書を簡単に参照できます。
複数のチームや部署で同じ文書を取り扱う場合、リンクフォルダを活用することで、DocuWorksデスク上から目的のファイルにアクセスしやすくなります。
文書変換と編集機能
DocuWorksが大きな強みを発揮する点のひとつが、さまざまな形式の文書を手軽にDocuWorks文書へ変換できる機能です。
さらに、変換した文書を編集・加工する機能によって、単なる「ビューア」以上の使い方が可能になります。
1. DocuWorks文書への変換方法
「DocuWorks文書への変換」というと難しそうに聞こえますが、実際には印刷と同じ操作手順で手軽に実行できます。
以下のプロセスで作業すると、ExcelファイルやPDFなど多様なファイルをDocuWorks文書にまとめて取り込めます。
- ExcelやPDFなど、DocuWorksに変換したい文書を開く。
- 印刷画面を開き、印刷先のプリンターとして「DocuWorksプリンター」を選択する。
- 「印刷」を実行すると、自動的にDocuWorks文書として新規生成される。
通常の紙への印刷と同じ発想で「印刷先」を切り替えるだけで、簡単にファイルをDocuWorks形式に変換できるのは大きなメリットです。
既存のオフィス文書やPDFをまとめて管理したい際に、この機能を活用することで作業手順を大幅に短縮できます。
私はWebサイトを閲覧していて、メモとして残したいと思ったときに、DocuWorks形式で印刷をしてあとで読んだりもします。
2. DocuWorks Viewerの編集モード
変換した文書を編集するために使用するのが「DocuWorks Viewer」です。
Viewerには主に2つのモードがあり、それぞれ使い分けることで閲覧重視の操作と、注釈やスタンプなどを追加する操作をスムーズに切り替えられます。
- スクロールモード
- Viewerを起動した直後の初期モード。
- 文書のページをドラッグして位置を調整したり、複数のページを素早くチェックしたりするのに適している。
- マルチモード
- アノテーション機能を使った編集が可能になるモード。
- 文字の追加、枠線の作成、電子印鑑の押印など、多彩な加工が行える。
- 誤って注釈を追加してしまった場合は、Delキーを押すだけで簡単に削除できる。
- 画面上部の余白にアノテーション関連のアイコンをドラッグしておき、自分が使いやすいレイアウトにカスタマイズすることも可能。
たとえば、契約書類や見積書などに簡単なコメントを入れたい場合はマルチモードを使い、メールで送付する前にPDFに変換するといった流れを踏むと、紙を使わずに情報共有ができます。
便利な機能
DocuWorksには文書変換や編集以外にも、業務を大きく効率化してくれる便利な機能が多数搭載されています。
ここでは特に活用頻度が高い3つの機能を紹介します。
1. PDF変換機能
DocuWorks文書としてまとめたファイルを、PDFに変換し直すことも可能です。
具体的には、DocuWorksデスクやViewerの画面下部にある「PDFに変換」というボタンから実行できます。
PDF形式にすることで、DocuWorksを導入していない相手先でも閲覧できるという利点があります。
- DocuWorks文書をPDFに変換可能
- DocuWorks未導入のPCでも閲覧可能
- 画面下部の「PDFに変換」ボタンから簡単に操作できる
たとえば、取引先にDocuWorksを導入していない場合でも、こちら側でDocuWorks文書をPDF化すれば、相手先はAdobe Acrobatなど一般的なPDFビューアで内容を確認できます。
ビジネスシーンでのファイル互換性の確保にとても有用な機能です。私もお客様に送付する資料はすべてPDF化してから送っています。
2. 文書の束ね・バラし機能
複数のDocuWorks文書やPDFをまとめて1つのファイルに束ねられる機能も、DocuWorksならではの魅力です。
また、後から不要なページを取り除いたり、特定のページだけ別ファイルとして切り出したりする「バラス」操作も簡単に行えます。
- 複数のDocuWorks文書を1つに束ねられる
- 不要なページは「バラす」機能で切り離しが可能
- PDF文書でも同様の操作が可能
案件ごとに関連する書類をまとめておき、必要に応じてバラして別の担当者に渡すといった使い方もでき、紙ベースの整理作業をほとんど電子化できる点が大きなメリットです。
税務申告書の控えは、電子申告の場合、国税と地方税でバラバラのファイルに出力されてきますが、こういったファイルを束ねる作業も一瞬で終わります。
決算書やメール詳細などのPDFデータも、DocuWorksで束ねて申告書一式として整理してあげると、銀行に書類を提出する際に便利です。
3. FAX送信機能
オフィスではまだまだFAXを使ってやり取りをする場面が残っているかもしれません。
DocuWorksでは、次の手順で簡単にFAX送信を行うことが可能です。
- FAX送信状をDocuWorks文書として用意する。
- 送信したい文書と束ねる(文書を一体化する)。
- 使用中の複合機メーカーが提供するFAXドライバーをパソコンにインストールし、DocuWorksデスクやViewerから印刷先をFAXドライバーに設定して送信する。
DocuWorksはメーカーを問わないため、複合機のFAXドライバーが適切にインストールされていれば、どのメーカーでも同様の手順で送信が可能です。
税務署や金融機関からは未だにFAX送信を求められることがあるので、そういったときにDocuWorksから瞬時に送付できるのは非常に便利です。
活用のポイント
ここからは、DocuWorksを日常業務でより効果的に活用するためのポイントを2つ紹介します。
DocuWorksの機能を「使いこなす」ためには、単に設定や操作方法を知るだけでなく、実際の運用のコツを抑えておくことが重要です。
1. FAX送信状の再利用
FAX送信状を頻繁に利用する場合、毎回新しく作成する手間を減らすために、再利用しやすいテンプレート化を行うと効果的です。
次のような流れで準備しておけば、必要なときにすぐに使い回せるようになります。
- 送信状のDocuWorks文書を作成し、白枠を入れて日時などを消しておく(ひな形化)。
- ひな形をユーザーフォルダやリンクフォルダに保存しておく。
- 実際に送信するときは、そのひな形をコピーし、送信する文書を束ねてFAXドライバーで送信する。
- 日付や宛先などの差し替えはDocuWorksのアノテーション機能で素早く修正。また、データアイコン(現在日時を挿入する機能)で日付部分を簡単に更新。
この方法を使えば、紙の送信状テンプレートをコピーして書き込み、FAX機にセットするという従来のフローに比べて、圧倒的に効率的な電子化が実現します。
2. 複合機との連携
DocuWorksは、メーカーを問わずさまざまな複合機でスキャンした文書を取り込み、編集・加工が可能です。
たとえば、スキャンしたPDFファイルに対しても、DocuWorks上で「束ね・バラす」操作を行えます。
以下の点に注目すると、複合機との連携がよりスムーズになります。
- スキャンしたPDFをDocuWorks形式に変換すれば、アノテーション機能でコメントやスタンプを追加できる。
- 受信FAXをPDF化してDocuWorksに取り込み、必要な部分だけをバラしたり、関連文書と束ねたりする運用が可能。
- 特定メーカー製の複合機でなくとも、FAXドライバーやスキャン機能が正しく設定されていれば、DocuWorksとの連携に大きな差はない。
書類の電子化やペーパーレスを本格的に推進したい企業にとって、複合機とDocuWorksを組み合わせることは非常に相性が良く、業務効率を一気に引き上げることができます。
DocuWorksの導入形態と購入方法
DocuWorksは体験版も用意されており、まずはその使い勝手を確認してから導入を検討することが可能です。
基本的に富士フイルムビジネスイノベーション(旧 富士ゼロックス)の公式サイトでダウンロードができますが、
法人として導入する場合は、直接見積もりを依頼することでボリュームライセンスやサポートなどを含めて、より有利な条件を得られる場合があります。
- 体験版ダウンロード: 富士フイルムビジネスイノベーションのホームページから実行。一定期間無料で試せる。
- 正式導入: 法人の場合、見積もりを依頼し、サポート契約などを含めて導入。ボリュームライセンスや複合機とのセット割引などもある。
試用期間中に自社の業務フローでDocuWorksがどの程度便利かを検証し、導入するメリットを明確化しておくと、導入後の運用もスムーズに進められます。
私は最初に体験版で使って非常に便利だと感じましたので、価格ドットコムで最安値を調べて、一番安いサイトからライセンスを購入しました。
まとめ:DocuWorksで文書管理を効率化・ペーパーレス化
DocuWorksは、文書の閲覧・編集・変換・束ねなど、日常的なオフィスワークに必要な作業をまとめて行える総合ソリューションです。
デスクとViewerの2つのソフトウェアを中心に、PDF変換機能やFAX送信機能、複合機との連携など、業務効率を大きく高めるための機能が多数備わっています。
- 文書を一元管理: 多様なファイル形式をDocuWorks文書へ変換し、一か所で管理可能
- 使いやすい編集機能: アノテーションを使った編集や束ね・バラす操作により、紙の手作業を再現
- 他社との連携も容易: PDF変換でDocuWorks未導入先にも対応しやすい
- 複合機との相性が良い: スキャン・FAX送信など、ハードウェア連携もスムーズ
これらの機能を活用することで、紙の書類が多い業務でもペーパーレス化を推進し、書類整理や回覧の手間を大幅に削減できます。
まずは体験版を活用して導入効果を試しながら、自社に合った運用方法を検討すると良いでしょう。
DocuWorksは企業規模を問わず、多くの現場で採用されている実績あるソフトウェアです。
ぜひ文書管理やペーパーレス化の決定版として、DocuWorksの導入を検討してみてください。