1分で予定調整ができる無料ツール「Calendly」活用法

皆さんこんにちは。クラウド会計で経営支援を提供する千葉の税理士、中川祐輔です。
毎週木曜日に、経営者なら知っておきたい「業務効率」についての知識を解説しています。
経営者やビジネスパーソンの皆様は、お客様や社内メンバーとのミーティング調整に時間を取られすぎていませんか?
メールでのやり取りが何度も続いたり、相手の都合をヒアリングしながら複数の候補日を模索したり……。
これらの作業が日常的に発生することで、本来やるべき業務に集中できなくなってしまうことも多いのではないでしょうか。
本記事では、私も活用している無料のスケジュール調整ツール「Calendly(カレンドリー)」をご紹介します。
Calendlyを活用すれば、お客様や取引先との「日程調整」にかかる時間を大幅に削減し、経営効率をぐっと高めることが可能です。
特筆すべきは、予定の「受け手」であるお客様が必ずしもCalendlyに登録する必要がない点です。
リンクを送るだけで候補日を選んでもらえるため、導入側の負担は最小限で済みます。
本記事では、Calendlyの無料プランで使える主な機能や具体的な設定方法、そして導入判断のポイントを分かりやすく解説していきます。
Calendlyとは?
Calendlyは、アメリカ発のオンライン日程調整ツールです。
直感的なインターフェースが特長で、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携することによって、自分の空き時間だけを相手に提示できます。
相手は提示された候補時間の中から都合のいい日時を選ぶだけなので、メールのやり取りに費やす時間が大きく削減されます。
私の場合は、ホームページなどからお問い合わせいただいた際に、個別相談用の申し込みリンクとしてCalendlyをお送りさせていただいています。
Googleカレンダーと同期しているため、リアルタイムでの私の空き時間が表示され、都合のいいタイミングで予約していただくことができます。
無料プランでも1対1のミーティングであれば充分活用できるため、まずは試しに使ってみることをおすすめします。
無料プランで活用できる主な機能
無料プランでも以下のように便利な機能が揃っています。
ここではそれぞれの機能を分かりやすく説明した上で、どのような場面で役立つかを整理してみましょう。
- 1対1のミーティング調整
- 15分、30分、60分など、あらかじめ用意された時間枠を自由に設定可能です。
- 3名以上での予定調整には有料プラン(8ドル以上)が必要ですが、個別にお客様と商談を設定するケースであれば無料プランで問題ありません。
- 外部サービスとの連携
- Googleカレンダー、Office365、Outlookなど、多くのカレンダーとスムーズに同期できます。
- Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどのオンライン会議ツールとも連携できるため、オンライン商談が増えている昨今には非常に便利です。
- グローバル対応
- タイムゾーンを自動で調整してくれるため、海外のお客様やパートナーとの予定も簡単に設定できます。
- 海外出張時や外国人スタッフとのコミュニケーションにも役立ちます。
なお、有料プランではSalesforceやStripe、PayPalなどの追加機能を使うことができますが、まずは上記の基本機能を無料で試してみるとよいでしょう。
具体的な使い方:ステップバイステップ
ここからは、Calendlyを実際に利用してミーティングを設定するまでの流れをステップバイステップでご紹介します。
それぞれの段階で必要な操作や注意点を押さえておきましょう。
1. 初期設定
- 新規登録を行う
はじめにCalendlyにアクセスし、メールアドレスを入力して新規登録を行います。Googleアカウントを使って簡単に登録することも可能です。 - カレンダーの連携
Googleカレンダー、Office365、Outlookなど、普段使用しているカレンダーと同期すると、Calendly上で自動的に空き時間を判別してくれます。 - 基本の予定枠が自動設定
登録が終わると、15分・30分・60分といった一般的な時間枠が初期設定されます。まずはこのデフォルト設定を使い、実際に試してみるとよいでしょう。
2. ミーティング設定のカスタマイズ
- 各ミーティング枠の編集
Calendlyの管理画面では、歯車マークなどの設定ボタンからミーティング枠を編集できます。たとえば30分の枠を45分や90分に変更することも簡単です。 - オンライン会議ツールとの連携
ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなどのオンライン会議ツールを使用している場合は、Calendlyの「Add Location(場所の追加)」設定から連携を行いましょう。URLも自動で生成されるため、相手に追加情報を伝える手間が省けます。 - 説明文の追加
ミーティング内容や事前に準備してほしいことがある場合、説明文を追記すると相手にも伝わりやすくなります。商談の場合はアジェンダを共有しておくと、当日のミーティングもスムーズです。
3. 予定調整の実施
- リンクを共有
ミーティング枠が準備できたら、Calendlyの画面上にある「シェア」ボタンからリンクをコピーします。このリンクをお客様や取引先にメールで送るだけでOKです。 - お客様による日程選択
相手がリンクをクリックすると、こちらが指定した空き時間のみが表示されるカレンダー画面が開きます。相手は都合の良い日時を選ぶだけで予約が完了します。 - 連絡先情報の入力
お客様が候補日を選択すると、名前とメールアドレスの入力画面が表示されます。これを入力するだけでミーティングが確定し、予定登録者には自動で通知が届く仕組みです。
便利な追加機能と活用のコツ
Calendlyをさらに使いこなすための追加機能や、運用のコツをいくつかご紹介します。
ちょっとした設定を加えるだけで、さらなる効率化を期待できます。
カスタムイベントタイプの作成
- 自由な時間枠の設定
90分など独自の時間枠も作成できるため、より柔軟な調整が可能です。 - 予定可能期間の設定
60日以内など、自分がミーティングを受け付けたい期間を限定できます。長期的な予定を除外したいときに便利です。 - 時間帯の細かいカスタマイズ
たとえば「12時以降のみ」など、曜日や時間ごとに細かく設定すれば、自分の働き方やライフスタイルに合わせたスケジュール管理が実現します。
ダブルブッキング防止機能
- Calendly内での予約重複を回避
同じ時間帯に2件以上の予約が入らないように、自動的にスロットがブロックされます。 - 外部カレンダーとの同期
Googleカレンダーなどの既存カレンダーに予定が入っている場合、その時間枠をCalendlyが「不在扱い」として認識してくれます。よって誤って予定を被らせることがありません。 - リアルタイム更新
予定を変更するとほぼリアルタイムでCalendlyに反映されるため、カレンダーを頻繁に更新する方でも安心です。
自動通知設定
- ミーティング前のリマインダーメール
相手に対して自動的にリマインドメールが送られるので、直前に改めて日程を確認してもらえます。 - フォローアップメールの送信
ミーティング後にお礼のメールを自動的に送ることで、ビジネス上のコミュニケーションを円滑に進められます。 - カスタマイズ可能な内容
リマインドやフォローアップの文面も編集できるため、自社のブランディングやトーンに合わせたメッセージが送れます。
導入の判断ポイント
Calendlyの導入を検討する際に、特に注目すべきポイントを整理しました。
下記を参考にして、自社の業務スタイルや状況に合っているかを見極めましょう。
- GoogleカレンダーやOutlookで予定管理している方
- 既存のカレンダーと連携することで、設定や管理がシンプルになります。
- 日々の予定をそのままCalendlyに自動同期できるため、調整忘れも防ぎやすくなります。
- 決まった時間帯に予定を入れたい方
- 曜日や時間帯で稼働可能時間を絞りたいケースに最適です。
- 定期的な商談やコンサルティング業務など、ある程度ルーティン化された予定が多い場合、大幅に効率化できます。
- 注意が必要な点
- インターフェースが英語
操作自体はシンプルですが、英語に苦手意識がある場合は慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。 - 不規則なスケジュールの方
毎日の予定が流動的に変わりやすい方の場合、Calendly上のavailable時間の設定をこまめに調整する必要があります。
- インターフェースが英語
まとめ
Calendlyを導入すれば、ミーティングの日程調整に要する手間を大幅に削減できます。
特にGoogleカレンダーやOutlookとの連携機能を活用することで、自分の空き時間を自動で算出し、お客様や取引先にはリンク1つを送るだけでスムーズにアポイントを取得できるようになります。
メールのやり取りが最小限で済むため、結果的に「1分で日程調整」が実現し、経営者やビジネスパーソンの貴重な時間をセーブすることができるでしょう。
最初の設定や英語インターフェースに慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんが、無料プランでも十分に試す価値があります。
しばらく運用してみて、より高度な機能(複数人ミーティングや支払い受付機能など)が必要だと感じたら、8ドル以上の有料プランへのアップグレードを検討するのもおすすめです。
ぜひこの機会にCalendlyを導入し、面倒な日程調整を効率化してみてください。ビジネスの生産性を高める一歩として、役立つツールになってくれるはずです。