小さな習慣が業務効率を高める!経営者のための時間最適化メソッド

皆さんこんにちは。クラウド会計で経営支援を提供する千葉の税理士、中川祐輔です。
毎週木曜日に、経営者なら知っておきたい「業務効率」についての知識を解説しています。
現代の中小企業経営者にとって、時間は何よりも貴重な資源です。
特に従業員10人以下の企業では、経営者自身がプレイヤーとして現場に立ち、同時に重要な経営判断を下さなければならないという状況が珍しくありません。
そのため、限られた時間をいかに有効活用するかが、ビジネスの成長や安定に直結する重要課題となります。
しかし、多忙を極める中でもふと気がつくと、SNSやスマートフォンを見てしまう瞬間はありませんか?
たとえば「仕事の合間に少しだけ」と思って開いたSNSが、いつの間にか30分、1時間と時間を奪っている。
こうした「隙間時間の浪費」は、自覚のないまま生産性を低下させる大きな要因の一つです。
しかも、SNSやスマホはビジネス上でも有益なツールの場合が多く、ただ削除してしまうことは現実的ではありません。
本記事では、この「時間の罠」を回避し、隙間時間を根本的に見直す思考法と、私も実践している日々の業務効率を高める具体的な実践ステップについてご紹介します。
中小企業経営者として必要なマインドセットの転換から、今すぐ実行できるアクションプランまで、段階的に解説していきますので、ぜひ明日からの経営に取り入れてみてください。
隙間時間をなくす思考法
1. 隙間時間はどう生まれるのか?
まずは「隙間時間をなくす」という視点を持ちましょう。
世の中では「隙間時間を活用する」という考え方がよく提唱されていますが、実はこの捉え方は、「隙間時間が生じるのは当然」という前提に立っています。
重要なのは、そもそも隙間時間を極力生み出さないような行動設計を行うことです。
では、隙間時間はどのようなタイミングで生まれやすいのでしょうか?代表的な例としては下記のようなものがあります。
- タスクとタスクの間の移行時間
- アポイントメントの待ち時間
- 休憩時にスマホを見てしまう習慣
- 通勤や移動時間に特に計画を立てず過ごしている
上記のように、あらかじめ予定されていない“ぽっかり空いた時間”が、誘惑に負けてSNSやスマホを開いてしまう原因になることが多いのです。
2. 隙間時間をなくすための行動習慣
隙間時間をゼロに近づけるためには、まず「タスク間の切り替え」を意識することが効果的です。
具体的には、一つのタスクを終えたら即座に次のタスクに移行し、タスク間に生じる“何となく考える時間”を減らします。
朝の段階でその日のタスクをすべて書き出し、優先順位を明確にしておくことで、タスクが終わったときに迷う時間を最小化できるのです。
また、アポイントメントも同様に、待機や移動の時間を「なかったこと」にせず、予定とセットで管理します。
たとえば15時に打ち合わせがあるなら、逆算して14時30分には近くのカフェに入って事前準備をするなど、“移動+準備”をスケジュールに組み込みましょう。
こうすることで、移動と移動の合間やアポまでの微妙な空き時間が「どこかでSNSを見てしまう瞬間」になるのを防ぐことができます。
最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、これらを習慣化していくと、集中力が途切れずに仕事に没頭できるため、結果的には大きな時間の節約と生産性向上につながります。
避けられない隙間時間の戦略的活用法
1. 「隙間時間フォルダ」の作成
どれだけ計画を緻密にしても、完全に隙間時間をゼロにすることは難しいでしょう。
電車やバスでの移動中、打ち合わせの急な延長や相手の都合で生じる待機時間などは、どうしても避けられません。
そうした“完全排除が不可能な隙間時間”に対しては、あらかじめ「何をするか」を決めておくのが賢明です。
そこで活用したいのが、スマホのホーム画面に設置する「隙間時間フォルダ」です。
以下はその一例になりますが、単にフォルダを作るだけでなく、その中に入れるアプリと順番にも工夫を加えましょう。
- ビジネスニュースアプリ
隙間時間で業界動向をチェックし、日々の情報収集を習慣化する。 - 専門誌や業界雑誌のアプリ
月次や週次で更新される専門情報を隙間時間に吸収し、知識のアップデートを図る。 - Kindleなどの読書アプリ
ビジネス書や自己啓発本を“ながら読み”ではなく、短い時間でも集中して読む。
このようなアプリを優先順位順に置くことで、SNSへ流れ込む前に、より生産的なツールを開けるよう自分を誘導できます。
数分の隙間時間でも、積み重ねれば大きな学びの機会や情報収集のチャンスとなるはずです。
2. マルチタスクの罠を避ける
ただし、隙間時間を有効活用する際に注意すべき点があります。それは「マルチタスクは実際には効率を下げる可能性が高い」ということです。
たとえば、コーヒーを入れながらSNSをチェックしたり、食事をしながらメールを確認するといった行動は、実際には集中力が分散し、生産性が落ちると言われています。
コーヒーを入れている間は香りや味わいを楽しみ、メールチェックをするときはメールだけに集中する。
隙間時間であっても、一つのことに集中する姿勢を心がけましょう。こうした意識のメリハリが結果的にタスク一つひとつの質を高め、中長期的に大きな成果につながります。
業務効率を阻害する習慣の特定と改善
1. SNSやスマホに手を伸ばす“パターン”を知る
多くの中小企業経営者が「気づいたらSNSを眺めていた」という状況に陥るのは、実は無意識の行動パターンが根づいているからです。
どのようなタイミングや気持ちのときにスマホを開きがちなのか、客観的に観察してみましょう。
よくある例としては、以下のようなパターンがあります。
- 仕事の区切りや休憩時にスマホを確認するのが習慣化している
- 疲れを感じたときや集中力が切れたときの“息抜き”としてSNSを開く
- 朝一番や就寝前にSNSチェックがルーティンになっている
2. 具体的な対策を講じる
こうした行動パターンが判明したら、それぞれの原因に合わせた対策を導入しましょう。
たとえば、休憩時にSNSを見ることが多いのであれば、次のような取り組みがおすすめです。
- 短時間のストレッチや深呼吸に置き換える
体をほぐすことで疲労感がやわらぎ、SNSによる過剰な刺激を遠ざけられる。 - 温かい飲み物を味わうことに集中する
スマホの画面を見ずに、味や香り、温度など五感を意識してリフレッシュする。
特に集中力が切れたときは脳が新しい刺激を求めやすく、SNSに手が伸びる人が多いようです。
そこで、5分ほど散歩をする、窓の外を眺めて自然光に目を向けるといった方法でデジタルから離れると、脳科学的にもより効率的に集中力を回復できるとされています。
さらに、デスクの上や視界にスマホがあるだけでも、無意識に気を取られてしまう研究結果が報告されています。
したがって、集中作業時はスマホを別の部屋に置くか、通知を「おやすみモード」にするなど、環境面で対策を取ることも大変有効です。
持続可能な業務効率化のための実践ステップ
1. 第一段階:基本習慣づくり
ここまで紹介した考え方や対策を、実際のビジネスにスムーズに取り入れるために、まずは一度に多くのことをやろうとせず、段階的に進めましょう。
具体的には、初めの1週間で下記3つの取り組みを意識してみてください。
<前置き>
これらはすべて「自分の時間を客観視する」ための第一歩となります。最初は慣れないかもしれませんが、無理のない範囲で続けてみましょう。
- 毎朝10分のタスク整理タイムを確保する
その日のタスクを書き出し、優先順位を明確にする。終わるたびに迷わず次のタスクへ移行しやすくなる。 - スマホのホーム画面を整理し、「隙間時間フォルダ」を設置する
重要なアプリやビジネスに有益なアプリを優先的に使えるよう配置し、SNSに流れ込むのを防ぐ。 - 一日の終わりに5分間、時間の使い方を振り返る
「今日、どんな隙間時間があったか? どうやって過ごしたか?」を記録・分析し、改善点を洗い出す。
<後置き>
これらの習慣が少しずつ身についてくると、自分の1日の時間配分に対する意識が高まり、無駄な隙間時間がどれだけ多かったかを実感できるようになります。
2. 第二段階:習慣を定着させ、さらに拡張する
最初の習慣づくりが一通り定着してきたら、次のステップに進みましょう。
ここでは、タスク管理やスケジューリングをより高度に行い、SNSチェックなどのデジタル活用にもルールを設ける段階です。
<前置き>
一気に完璧を目指すと挫折しやすいものです。小さな成功体験を積み上げながら、徐々にルールを強化していきましょう。
- タスクリストの優先順位を厳密にし、タスク間の移行を即座に行う訓練
完了したタスクに時間をかけて振り返るよりも、すぐに次のタスクへ移行するよう意識する。 - 会議やアポイントメントの前後に30分のバッファ時間を設定し、準備と振り返りに活用
打ち合わせの意図やゴールを明確にしておくことで、当日の会議時間自体も効率的になる。 - SNSやメールのチェックを一日2〜3回に限定し、それ以外のプッシュ通知をオフにする
“気づいたらチェックしていた”を防ぐため、意図的に見るタイミングを決めておく。
<後置き>
2〜3週間続けると、これらの新しいルールは自然に習慣として根づいていきます。最初は不便に感じることもありますが、一時的なものだと割り切って続けてみると、その効果を実感しやすくなるはずです。
まとめ:明日から始める業務効率革命
業務効率を高める取り組みは、高額なシステム導入や劇的な組織改革だけではありません。
むしろ、毎日の小さな行動パターンを一つひとつ見直すことで、無駄を省いていくアプローチのほうが確実に成果を積み上げることができます。
特に中小企業の経営者にとっては、自分自身の時間管理や習慣が会社全体の生産性に直結するため、そのインパクトは想像以上に大きいのです。
本記事でご紹介した「隙間時間をなくす」という発想の転換と、避けられない隙間時間の戦略的活用法は、今すぐにでも始められる実践的な方法です。
まずは明日の朝5分間だけでもタスクを書き出してみる、スマホのホーム画面を整理してみる。そんな小さな一歩からトライしてみてはいかがでしょうか。
1週間後、さらに2〜3週間後と時間を区切って振り返りを行うことで、自分の中に新たな習慣が根づいていることに気づくはずです。
こうした一連のプロセスは、業務効率を高めるだけではなく、本当に大切なタスクや目標に集中できる環境を整え、経営者としての視野を広げるきっかけにもなります。
限られたリソースの中で最大の成果を上げるために、今日から「隙間時間」に対する意識を変えていきましょう。
日々の小さな変化の積み重ねこそが、やがて大きな業務効率革命へとつながるはずです。