経営者のための”2ステップ情報管理術”で業務効率を劇的改善

皆さんこんにちは。クラウド会計で経営支援を提供する千葉の税理士、中川祐輔です。
毎週木曜日に、経営者なら知っておきたい「業務効率」についての知識を解説しています。
「あの大事な情報、どこに保存したっけ?」
「スクショしたはずなのに、探せない…」
「情報が散らばりすぎて、整理できない」
このように、必要な情報をすぐに見つけられずに苦労する経験はありませんか?
中小企業の経営者として日々多岐にわたる情報に触れると、各所に保管したファイルやメモ、ブックマークなどが増え続け、気づけば“情報の迷子”が大量発生していることも少なくありません。こうした状況が続くと、重要な情報にたどり着けないばかりか、業務効率が大幅に低下する原因にもなります。
本記事では、こうした悩みを解決するために、中小企業が実践しやすい「2ステップ情報管理術」を中心に、具体的な手順やおすすめツールの活用法について解説していきます。情報は経営の要となる資源です。整理・管理の方法を見直して、ビジネスの生産性を劇的に向上させましょう。
情報過多時代の情報管理が抱える課題
スマートフォンやPCによる情報の収集・保存が格段に簡単になった現代は、便利である一方、その“便利さ”が落とし穴にもなっています。
オンラインで資料を見つければすぐにスクリーンショット、URLをブックマーク、メールで送られてきたファイルを添付保存…。
あっという間に膨大な情報が蓄積していくのです。しかし、その情報を後から検索しようとすると「どこに保存したか分からない」という現象に陥りがちです。
こうした「情報過多」によって、情報管理がうまくいかないと、次のような深刻な弊害が発生します。
- 重要な意思決定に必要な情報を即座に取り出せない
ビジネスではタイミングが重要です。必要な情報がすぐに取り出せないと、意思決定が遅れたり、判断を誤ったりするリスクが高まります。 - 過去に調べた内容を再度調査する時間的ロス
「どこに保存したか分からず、また同じ情報を調べ直す」状況は非常にもったいない時間の使い方です。その間に本来取り組むべき業務が滞ってしまいます。 - スタッフとの情報共有における混乱
社内で共有が必要なファイルやドキュメントが各人の端末やクラウドなどにバラバラに存在していると、情報の最新版がどれか分からなくなったり、特定の人しかアクセスできない状態が生まれたりします。 - アイデアやインスピレーションの埋没
業務上のヒントや新規事業の種となるアイデアが断片的なメモのまま埋もれ、「どこに書いたか思い出せない」というケースは珍しくありません。
上記のように、“必要な時に必要な情報を取り出せない”のは単なるストレスだけでなく、ビジネス全体のパフォーマンスを下げてしまう重大な問題です。
特に小規模企業では、一人ひとりの時間と情報活用が売上に直結しやすいため、この課題を放置しておくのは大きなリスクといえます。
「2ステップ情報管理術」で業務効率を上げる
膨大な情報を管理するために複雑なシステムや専門知識が必要だと思い込んでいませんか?
実は、情報管理のコツはシンプルであるほど継続しやすく、結果として効果が高まります。
そこで提案したいのが、私も実践している以下の「2ステップ情報管理術」です。
ステップ1:情報の仮置き場を一元化する
まずは、日常で見つけた情報をとりあえず保管しておく「仮置き場」を一か所に決めましょう。
この時、「重要かどうか」を深く考えずに、「あとで見直す可能性がある情報は全部ここに入れる」というスタンスを徹底します。
例えば、以下のようなツールを仮置き場として活用できます。
- メールアプリ(自分自身に送信)
- メッセージアプリ(LINEやSlackなど)
- メモアプリ(Apple メモ、Google Keepなど)
- クラウドノートアプリ(Notion、Evernoteなど)
これらのツールはいずれもスマートフォンから簡単にアクセスでき、同期機能も充実しています。
一元化のポイントは「複数の場所に分けない」ことです。営業資料や業界ニュース、社内アイデアなど、ジャンルを問わずまずは同じ仮置き場に集める習慣を作りましょう。
仮置き場活用の注意点
仮置き場のメリットは、“とにかく情報を取りこぼさない”という点にあります。
しかし、気軽に何でも保存できる反面、不必要な情報も混在しやすいのがデメリット。そこで重要になるのが次のステップです。
ステップ2:定期的な見直しと構造化
仮置き場に集めた情報は、一度入れただけで終わりにせず、定期的に整理する時間を作る必要があります。
冷静なタイミングで情報を“仕分け”してこそ、本当に必要な情報を活かせるからです。
- 短時間で頻度を高める: 1〜2日に一度、10〜15分でもよいので、整理の時間を確保します。
- 情報を要否で仕分ける: 仮置き場にある情報を見直し、「ビジネスに活かせるか」「後から参照する価値があるか」を判断します。
- 必要な情報はデータベース化: 要点を自分の言葉でまとめつつ、あらかじめ決めたフォルダやデータベースに移行します。
- 不要な情報は思い切って削除: 「あとで読むかも」と放置しがちな情報こそ、積極的に処分するのがポイントです。
この工程を経ることで、貴重な情報は単なる“スクショ”や“リンク”の集まりから、意味づけされた“知識”へと変わります。
例えば、税制改正のニュースを保存したのであれば、リンクだけでなく「2025年度から中小企業向け設備投資減税が拡充され、償却率が10%→15%に引き上げられる」と自分で記録しておくことで、後から検索したり利用したりしやすくなるのです。
情報整理に役立つNotionの活用法
1. Notionが選ばれる理由
情報を構造化するとき、ファイル単位の管理よりも柔軟性が高いのがデータベース型の管理ツールです。
その代表格がNotionというツールです。Notionを活用するメリットは下記の通りです。
- ドキュメントや表、タスク管理などを一元的に扱える
- ドラッグ&ドロップ操作で簡単に情報を整理・再配置できる
- リンク同士を関連付けることで、情報を横断的に閲覧可能
こうした多機能ぶりから、一見すると複雑そうに思うかもしれません。しかし、最初はシンプルな使い方でOKです。ゆくゆく必要に応じて機能を追加していけば問題ありません。
2. Notionで情報管理をはじめる3つのステップ
Notionに慣れるための基本的な進め方は、次の3ステップです。
- シンプルなカテゴリー分けからスタート
いきなり細分化しすぎると、どこに何を入れたか分からなくなる恐れがあります。まずは「ビジネス」「健康」「アイデア」など大まかに分類し、そこから必要に応じて細かいページやデータベースを作るとスムーズです。 - ドラッグ&ドロップで情報を整理
Notionの大きな強みは、コンテンツを自由に移動できることです。初期の分類が合わないと感じても、後から手軽にリストやページ、ブロックなどを移動できます。自分が探しやすい形を探りながら少しずつ最適化していきましょう。 - 定期的な見直しタイミングを設定
カレンダーアプリに「情報整理タイム」を組み込み、週1回・30分などのペースでNotionを見直すだけでも、情報が溜まりすぎて混乱するのを防げます。継続的にメンテナンスすることが重要です。
3. Notionの活用で気をつけたいポイント
Notionを導入したものの、以下のような点でつまずくケースもあるので注意が必要です。
- 過度な複雑化を避ける:
機能が多い分、分類やページ構成が細かくなりすぎると、かえって維持が面倒になります。 - テンプレートの鵜呑みは禁物:
インターネット上で公開されているNotionのテンプレートは便利ですが、必ず自社や自分のワークフローに合わせてカスタマイズしましょう。 - バックアップの習慣化:
クラウドサービスでもデータが消失するリスクはゼロではありません。定期的にエクスポートを取っておくなど、万が一に備えてください。
Notionのようなツールは「システムを完璧に構築する」ことがゴールではなく、「必要なときに必要な情報を探しやすくし、活用しやすくする」ことが真の目的です。
ツールに振り回されず、あくまで自分のビジネスの成長をサポートする存在として捉えるのがコツです。
中小企業の業務効率を高める実践的アプローチ
1. チーム全体の情報共有における活用法
情報管理の改善は、個人の生産性向上だけでは終わりません。
特に0〜10人規模の中小企業では、チーム全体が同じ土俵で情報を共有できる状態を作ることが、ビジネス成功の大きなカギになります。
Notionのようなツールを活用すれば、以下のように“チームの情報共有”をスムーズに行えます。
- 社内マニュアルやナレッジベースの構築
業務の進め方や注意点、使用するツールの手順などを整備し、いつでも誰でも参照できる状態を作ります。新しいメンバーが入った際もオンボーディングがスピーディーになるでしょう。 - プロジェクト管理とタスクの可視化
現在進行中のプロジェクトがどの段階まで進んでいるのか、誰が担当しているのかが即座にわかるようになります。コミュニケーション不足による作業の遅延を防ぐうえでも有効です。 - 顧客情報の一元管理と共有
クライアントや取引先の情報をチーム全体で共有しておけば、担当者が変わってもスムーズに引き継ぎが可能。過去のやり取りや交渉履歴を参照できるため、サービス品質が安定しやすくなります。
こうした情報共有の仕組みづくりは、従業員一人ひとりのパフォーマンス向上に直結します。
あるデータでは、チーム全員が“共通の情報プラットフォーム”を活用している企業では、1人あたりの生産性が平均15〜20%向上すると報告されています。
小規模だからこそ、その差が売上や利益にダイレクトに反映される可能性が高いのです。
2. 専門家の活用タイミング
小規模事業者やスタートアップでも、シンプルな運用から始めれば多くの場合、社内だけで情報管理システムを整備できます。
しかし、以下のような状況なら専門家のサポートを検討すると良いでしょう。
- 業務プロセスの大幅な見直しが必要な場合
業務のワークフロー自体が複雑化している場合は、中小企業診断士やITコンサルタントの知見が役に立ちます。 - 社内システムとの連携が必要な場合
既存の販売管理システムや顧客管理システム(CRM)とのデータ連携が必要なケースでは、専門技術を持つエンジニアの助けを得るとスムーズです。 - 情報セキュリティに関する懸念がある場合
誤って外部に情報が漏れないよう、アクセス権限設定や暗号化など、セキュリティ対策を万全にするには専門家のアドバイスが欠かせません。
費用対効果を見極めながら必要なタイミングで専門家を活用すれば、社内リソースを本来の事業活動に集中させることができます。
まとめ:情報管理で中小企業の競争力を高める
情報管理の最適化は、中小企業の経営者にとって「時間を買う投資」といえます。
日々の情報収集と整理方法を少し変えるだけで、意思決定のスピードと質は大きく向上し、結果として企業全体の生産性アップにつながるからです。
改めて重要なポイントを整理しておきましょう。
- まずは情報の仮置き場を一か所に決める
スマホやPCで見つけた情報を迷わず同じ場所に保存する習慣をつくります。 - 定期的な見直しの時間を確保する
仮置き場に集めた情報を1~2日ごと、あるいは週に1回など、自分のペースで必ず仕分けします。 - 情報を自分の言葉で書き直して構造化する
単なるリンクやスクリーンショットではなく、要点を簡潔にメモにまとめておくことで再利用しやすくなります。 - Notionなどのツールを活用して情報を関連付ける
必要に応じてページやデータベースを設計し、プロジェクト管理からナレッジベース化まで幅広く活用しましょう。 - チーム全体での情報共有を促進する
シェアした情報を誰でもすぐにアクセスできる状態にしておくと、意思決定や業務連携のスピードが飛躍的に向上します。
これらを継続的に実践することで、「あの資料どこだっけ?」と探す無駄な時間が減り、本来フォーカスすべき経営判断や顧客対応に集中できるようになります。
結果的に、限られたリソースを有効に使い、短期間で成果を出す小規模企業ならではの強みを最大限に発揮できるでしょう。
情報管理が定着し、スムーズに情報を扱えるようになれば、企業の競争力は一段と高まります。
ぜひ本記事で紹介した「2ステップ情報管理術」やNotionの活用法を取り入れ、今日から小さな一歩を踏み出してみてください。